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蝉の声

Photo 旅の二晩目、夕飯を食べ始める午後6時はまだ外が明るかった。山間のいで湯湧くその宿は、川のそばにたっているのだけれど、川のせせらぎが聞えないほど、たくさんのセミたちの声に湧きかえっていた。冷えすぎた部屋のクーラーを切り、窓を開け、セミの声を聴きながら、夕飯を食べた。だんだんと夕闇がせまる。「ヒグラシ、ってその名のとおり、日が暮れるまでなんだな」とダンナがつぶやく。本当だ!さっきまで聞こえていたヒグラシの声は夕暮れに合わせるように鳴きやんだ。そして、さらに闇がせまる。徐々に、徐々に、鳴いているセミの数が減っていく。1匹、また1匹、鳴き止みはじめ、とっぷりと漆黒の闇に包まれる頃には、1匹のセミの声も聞こえなくなり、代わりにさっきまでまるで聞こえなかった川のせせらぎが聞こえるようになった。田舎にいれば当たり前すぎるこんな自然の営みに気付き、都会に住む私たちは妙に感動してしまった。日が昇れば目を覚まし、日中精一杯活動し、日が落ちると眠りにつくセミたちの姿に、本来あるべき生き物の姿を見る気がする。都会のセミは夜中でも鳴いている。夜間照明が明るくて、昼と勘違いしてしまっているようだ。人間社会ももう少しスローダウンして、生き物としての暮らしを取り戻せればな、と思った。(写真のセミは旅に出かける朝、家から最寄の駅に行く途中の街路樹に止まっていたミンミンゼミ。今から思えばたくさんの生き物に出会えた旅を暗示していたようだ。)

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