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三太がくれた夏休み(一日目)

25日から3日間、旅行に行ってきた。この夏は年老いた三太を実家に預けて旅行に行くのがしのびなく、旅行はせず、三太と一緒に家でのんびりしようと決めていた。三太が「パパ、ママ、秋は忙しいよね。休みもままならないんだから、夏の間にゆっくりしておいで」(「動物を擬人化しすぎ」と思われるかもしれないけれど、これが私たちの偽らざる心境です)と背中を押してくれた気がする。これは三太がくれた夏休みなのだ。だから、雨が降っても、思い切り満喫しようと思ったし、二人で出かけられるだけで、感謝だった。
 旅の目的地は奥鬼怒の深い山の中、手白澤温泉。昔から一度行ってみたかったところ。けれど、宿にたどり着くには車を置いて山道を2時間半は歩かなければならず、なかなか思い切れなかった。思い切って行ってよかった。

出発の日は朝から大降りの雨だった。「どしゃぶりの雨の山道を歩く旅も、それはそれで思い出深いものになるかもしれない」と腹をくくって、朝7時、出発した。
昼前、一般車両の終点、女夫渕の駐車場に到着。出発地点の女夫渕は明るい曇り空だった。駐車場に車を停め、女夫渕温泉のレストハウスで腹ごしらえ。名物の舞茸のてんぷらそば。舞茸まるまる一株の大盤振る舞い(笑)。量だけじゃなく、味も天下一品でした。
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 鬼怒川沿いを歩き始める。心配していた雨は降りそうにない。三太が守ってくれているのかな。緑がきれい。すすきも穂を出していた。秋の気配を感じる。とんぼがたくさん飛んでいた。大きなヤンマも見た。それはそれは大きくて、とんぼの王様だな、と思う。かっこいい。
Photo_3 Photo_5 渓流は昨日降っていた雨でにごっているかな、と思ったけど、とてもきれいだった。野の花や風景の写真を撮りながら、コースタイムは関係なく、のんびりと歩く。結構きつい上り坂や沢水や雨でぬかるんでいる場所もあって、息も上がっちゃった(笑)。
Photo_10 Photo_11 1時間半以上かかって、奥鬼怒四湯のひとつ、八丁の湯に到着。ここの看板わんこがお出迎え。だいぶお年を召している。脇腹には腹水がたまっているのか、おおきな膨らみがある。また、三太を思い出してしまう。長生きしてね。八丁の湯は客室のログハウスが何棟も建っていて、あまり秘湯の風情はないけれど、本館は昔ながらのムードを残している。昭和60年頃までは電気もなく、ここもランプの宿だったのだ。夏の盛りを過ぎ、宿も人影がなくて、ひっそりとしていた。湧き水でのどを潤して、もうひとふんばり。
Photo_6 Photo_7 八丁の湯からほどなく奥鬼怒四湯でもっとも有名な加仁湯に到着。ここはあまりにメジャーになりすぎて、もはや秘湯ではなく観光地の大型旅館の構え。お湯はとってもいいんだろうけど。ちなみにここには春日野部屋の合宿所や土俵があって、時期があえば、お相撲さんたちとお風呂に入ることもあるらしい(笑)。ここ加仁湯が、奥鬼怒四湯の残り日光沢温泉(ここは純粋な山小屋)と私たちの目指す手白澤温泉の分岐になっている。
 さらに山道を登る。途中、ブナの緑が美しいブナ平に出る。今ももちろんきれいだけれど、新緑や紅葉の時期はすばらしいだろうなあ。
Photo_8 Photo_9 駐車場から道草食いながら歩き始めて3時間。前日に神輿を担いだダンナも相当堪えている頃、ようやく宿が見えた。深い山の中にぽつんと一軒。人工のものは何も見えない、大自然の中の静かな静かな宿。
 ここには看板犬の黒柴のクロがいる。実はこの子に会いたかったのもこの旅のひとつの大きな目的だったのです。クロは期待に違わず、私たちを玄関で歓迎してくれました。君に会えてうれしいよ。
Photo_12 Photo_13 標高1500メートルのここは空気もひんやり。温泉にはもってこいです。極上のお湯が待ってくれていました。硫黄のにおい、豊富な湯量、もちろん、目隠しの囲いもありません。人は通りません。動物には見られているかもしれないけど(笑)。大自然の恵みです。荷を解いて早速お湯に飛び込めば、山歩きの疲れも吹き飛び、出るのは歓喜のため息です(笑)。写真は女性用の浴室と露天風呂です。ここは6室しかない小さな宿で、3日間、お風呂は貸切状態でした。
Photo_14 Photo_15 食事は和洋折衷の創作料理。新鮮な山菜や宿の湧き水の池に放してある岩魚や栃木牛を使った手作りの心づくしのお膳です。お客さんの進み具合の見ながら、出来立ての料理を出してくれます。深い山の中でこんなにおいしい料理を出してくれるのも、小さな宿ならではのこだわりでしょう。どれもこれも絶品です。
Photo_16 Photo_17 Photo_18 Photo_19 Photo_20 こんなにおいしい料理と極上のお湯を味わうのは、山の中を2時間半以上歩いてこの宿を目指す物好きな人たちだけの特権。TVも置いていません。携帯も圏外です。地味な山道は展望がきくわけでもなく、野の花や昆虫、動物や野鳥が好きでなければ、面白くないかもしれません。物好きバンザイ、です!でも、紅葉の頃は相当前から予約をしないと取れないそうです。この宿と付近の自然を愛する人は多いんでしょうね。
 おなかいっぱいになると、ダンナは早々に眠ってしまいました。私は本を読んで、もう一風呂浴びてから、寝床にもぐりこみました。一日よく汗をかいて、よく歩きました。結局、幸いにも雨には降られませんでした。宿のそばを流れる手白沢の渓流の音以外は何も聞こえない静かな夜でした。

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コメント

 加仁湯まで行ったことありますよ!そこまでだって、ずいぶんと歩いて、秘湯にきた!って酔いしれていたのに、さらにその奥まで行ったんですか!
 
 三太くんがくれた夏休みですね。なんでもないときは、なかなか行かれないと思います。まして、元気であっても愛犬を留守番させてまで行かれないし〜。
三太くんもきっと元気な足取りで一緒についていったんでしょうね。

 遅ればせながら、三太君のご冥福をお祈りします。

投稿: よっきー | 2008年8月28日 (木) 16時36分

わーい、おかえりなさい!
秋の忙しさを控えて、のんびりゆ~ったりの旅。自然に囲まれた、携帯圏外の温泉!ぽんすけさんらしい、三太くんの贈り物らしい旅でしたね。(それに引き換え、私の忙しい夏の旅!!)

鬼怒川沿いに上流に向かうんですね。足腰がダメになる前にいちど行ってみたいなあ・・・!!続きも楽しみです。

投稿: kero | 2008年8月28日 (木) 17時31分

お帰りなさい!
温泉あり、ワンコあり、ご馳走あり、良い休日だったんだkね。

投稿: ふくpi・おふう | 2008年8月28日 (木) 21時17分

よっきーさん
どうもありがとう。
うちは階下が実家と店なので、仕事中は三太も私たちと一緒に下りていました。だから、元気な頃は時間とお金の都合がつけば実家に預けて出かけていました。
三太は車が嫌いで、いつもと変わったことをするのも嫌いで、一緒に旅行に行くことは終生できませんでした。
今年の冬にいつものように父と母に預けて旅行にでかけ、帰ったら、三太は私たちがいなくて夜も眠らず家の中を徘徊し、あちらこちらにぶつかりまくり、受け口の下唇がひどく腫れ上がっており、「もうこの子を置いて出かけるなんてできない!」と思いました。
今後出かけられないことは不思議とまったく辛くなくて、三太を置いて旅行にでかけてしまい、ストレスを与えてしまい、かわいそうなことをしてしまったと涙が出ました。
もう、絶対一緒に居ようと思ったのです。
きっとよっきーさんも同じ気持ちなんじゃないかなと思います。

加仁湯、行ったことあるんだね。
送迎バスを使わず、歩いていったんだね。感心します。
よっきーさんも山歩きが好きなのかな。
よっきーさんに言われて初めて思ったけど、三太、きっと私たちについてきたんだね。
思い当たるフシがいっぱいあります(笑)。


keroさん
うちは普段めったに出かけないので、行く時はどこにしようかうんと悩みます(笑)。
もともと山派なんだけれど、山は天気が悪い時のダメージが大きいので、最近は二の足を踏んでいました。
手白澤温泉、すごくいいですよ。
地味でちょっとだけきつい山歩きが必須ですが、努力した以上の幸福が待っています。


おふうさん
わんこに縁のある旅になりました。
やっぱり三太が案内してくれていたのかな。
山の中だから、宿代以外はほとんど出費がありませんが、贅沢をしました。
またがんばって仕事しなきゃ。

投稿: ぽんすけ | 2008年8月29日 (金) 11時43分

秘湯。旅情誘う響きです。一度訪れてみたいですね。
でも山歩きは今の私には無理なので、行けないでしょう。
静かな山間の温泉宿に泊まって、
身も心も解きほぐしたいと思うことがしばしばあります。
ぽんすけさん、いい旅になりましたね。
悲しみも、少しずつ、癒えていくといいですね。

投稿: ぴろろ | 2008年8月29日 (金) 15時05分

ぴろろさん
色々なところを旅行しているぴろろさんなんだから、ここへだって、時間をたっぷりとっての~んびり休み休み歩けば、きっと行けるはずですよ。
鎖場があったり、切り立った崖があるわけじゃありませんから。
でも、旅のスタイルや好みは本当に人それぞれで、それでいいんだと思います。
ついこの前まで、予定になかった旅でしたが、本当に行ってよかった。
今も三太のことを思い出さない日はありませんが、いない悲しみよりも、過ごせた日々がいかに宝物だったかと感謝の気持ちが強くなりました。
いつも私たちと一緒にいるんだとも。
きっとまた、天国で再会できると思います。

投稿: ぽんすけ | 2008年8月29日 (金) 19時08分

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